この記事では具体的な職務経歴書の書き方ではなく転職初心者向けに、『そもそも職務経歴書とは何なのか?』について解説しています。
具体的な職務経歴書の書き方はもちろん重要ですが、初めて職務経歴書を作成するのならその本質を段階的に理解することが重要です。
いきなり書き始めるのでなく、まずは職務経歴書ついて目的や構成など基本的な理解をすることが、あなたオリジナルの職務経歴書をつくる近道なのです。
目次
そもそも職務経歴書とは?
さっそく職務経歴書とは何なのか?についてお伝えします。簡単にいうと職務経歴書とは次のようにいえます。
職務経歴書はあなたが今までどんな仕事をしてきて、どんな経験やスキルを持っているのか、どのように仕事に取り組むのかをまとめた書類です
少し形式ばった言い方をするなら、職務における経験、得られた能力・スキル、仕事に対する資質といったあなたの職務経歴を記載する書類です。
以降では職務経歴書が必要な理由、履歴書との違いや具体的にどんな内容を記載するのかを解説していきます。
職務経歴書が必要な理由
そもそも職務経歴書の目的は次の2つです。
- 書類選考に必要なため
- 面接で利用されるため
企業はどこも、自社で長く活躍してくれる人材を欲しがっています。
応募者全員を面接に読んでいては、時間がいくらあっても足りないですし、面接で感じの良い人という理由だけで採用してしまうリスクもあります。
そのため自社の仕事にマッチするか、言い換えれば長く活躍してくる人材かどうかを、事前に判断し面接に呼ぶために職務経歴書で判断するのです。
もう1つ面接で利用するということについて説明します。
面接官の多くは実際の現場の管理職や経営層です。具体的には営業マネージャー、部長、プロジェクト・マネジャー、工場長、役員といった人たちです。
彼らは普段忙しく、事前に応募者の経歴チェックなどは出来ないというのが現実です。加えて、その仕事のプロではありますが採用面接のプロではありません。
そのため面接で何を質問するか、その人の前提となる経歴を知るために職務経歴書が必要になるのです。
面接官にとっては、あなたを知るためのガイドブックともいえます。
つまり職務経歴書の目的は、あなたの仕事の経験、能力・スキル、仕事の取り組みかたを知って、自社で長く活躍できるかを判断するため、書類選考と面接で利用するために必要なのです。
履歴書との違い
転職での応募書類は職務経歴書ともう1つ履歴書があります。転職における役割として、企業から見た履歴書と職務経歴書の違いは次の通りです。
履歴書は個人情報を確認する書類、職務経歴書はあなたを雇うか判断する書類
職務経歴書については先ほど解説したとおり、書類選考においてメインで利用される書類です。
しかし履歴書は名前、年齢、住所、簡単な職歴など、あなたの個人情報を中心に記載している書類で、簡単にいえばあなたの個人証明書に近いです。
役割の違う2つの書類について、あなたの個人情報を履歴書で確認し、実際に面接に呼ぶべき人材かどうかの判断を職務経歴書でチェックしているのです。
職務経歴書のサンプル例
職務経歴書の役割や目的がだいたい理解できたと思いますので、ここでは実際に職務経歴書に記載する項目を次のサンプル画像に沿って説明します。
職務経歴書に記載する項目
決まったフォーマットは無いですが、以下の項目を記載するのが、一般的な職務経歴書になります。
- 職務要約
- 職務経歴
- 活かせる経験・スキル
- 自己PR
職務要約
職務経歴書の内容を2~3行でまとめた内容です。読む人が、ざっくりと全体を理解できるために記載します。
職務経歴
具体的なあなたの職務経歴を記載します。
表組みにして、所属企業や職務内容毎に区切るとわかりやすいです。職務内容や実績など事実だけでなく、仕事に対する取り組みポイントを記載するなど工夫もできます。
活かせる経験・スキル
経験した職務から、あなたが持っている経験・スキルを記載します。ポイントは「活かせる」という点で、応募企業の仕事内容に活かせる経験・スキルに絞って記載しましょう。
自己PR
職務経歴欄では経歴を、活かせる経験・スキル欄では経歴から抽出した経験・スキルを記載しました。自己PR欄ではさらにエピソードや体験談を踏まえて、リアルに経歴や経験・スキルをアピールしましょう。
記載する必要がないもの
職務経歴を初めて書くあなたにとって、他に志望動機などは書かなくていいのか?と不安に思うかもしれません。
基本的に次の3項目については指定されない限り、職務経歴書に記載する必要はありません。
- 個人情報
- 志望動機
- 転職理由
まず個人情報については住所や年齢など履歴書に書く内容は必要ありません。ただし1点、氏名だけは記載します。これが無いと誰の職務経歴書かわからなくなるためです。
次に志望動機や転職理由ですが通常は記載の必要はありません。ただし、次にあてはまる方は記載するのもおすすめです。
- 入社3年未満の第二新卒
- フリーターなど正社員未経験者
上記の方々は、職務経歴書に書ける内容が少なくなりがちです。志望動機等などで文書としての体裁を整える意味でも追加で記載することがあります。
さらに経験不足をやる気や熱意でカバーし、あなた自身をアピールするため志望動機を記載する場合にも効果的です。
職務経歴書の作成方法
職務経歴書の作成はパソコンで行うのが良いです。
マイクロソフト社のWord(ワード)で作成する転職者が多いです。Excel(エクセル)で作成する転職者もいますが、設定や表示範囲などが面倒なのでWord(ワード)での作成をおすすめします。
自宅のパソコンにWord(ワード)が入ってなければ、Google社が無料で提供しているGoogle ドキュメントを利用しましょう。オンライン上で利用できるので、ネット環境があれば利用できます。
最終的にはA4サイズで2~3枚にまとめ、PDFファイルに変換して企業側に提出します。Word(ワード)ファイルなど編集できてしまう形式では送らないようにしましょう。
場合によっては印刷して郵送する場合もあります。
ちなみに大手の転職サイトなどは、必要な項目を記載するだけで職務経歴書を作成してくれるサービスを提供しています。職務経歴書作成用のアプリ等もあるので、探してみてください。
提出するタイミングや方法
最後に提出するタイミングや方法です。これは企業によってバラバラですが、基本的には応募方法によって次の3つに分かれると考えてください。
- 転職サイト経由は登録情報を送信orメールか郵送で送る
- 転職エージェント経由はエージェントに添付ファイルで送信
- 直接応募はメールor郵送
まずリクナビNEXTなどの求人転職サイトは、自分の職務経歴を転職サイト上に登録して、その情報を応募時に送信するパターンが多いです。この場合は登録情報がそのまま職務経歴書の形になっている場合が多いです。
ただ応募について直接、職務経歴書や履歴書を記載のメールアドレス宛に添付して送る場合や、記載住所に郵送するパターンもあります。
転職エージェント経由では、転職エージェントの個人管理画面上で入力するパターン、エージェントにメールで添付するパターンなどありますが、職務経歴書自体はエージェント経由で企業に送ります。
最後に直接応募です。これは地方の企業や、転職サイト・転職エージェントを利用していない企業に多くみられます。
担当者のメールアドレスや人事担当者宛に郵送する形になります。
まとめ
ここまで職務経歴書について解説してきました。最後に職務経歴書とは何なのかについて、重要な点をまとめておきます。
『職務経歴書とは?』まとめポイント
・あなたの経験、能力・スキル、仕事の取り組みを記載する書類
・個人情報が中心で証明書の役割が強い履歴書とは別物
・記載項目は職務要約、職務経歴、活かせる経験・スキル、自己PR
・書類選考ではメインの書類として重要
・面接時にも利用される
・A4サイズで2~3枚をWord(ワード)等で作成する
・専用の作成サービスやアプリもある
・応募経由によって応募方法が違う