転職面接のお礼状はこれでOK!手書き・封筒・メールの例文と12の表現

転職における面接後のお礼状について、手書き用とメール用ですぐに使える例文を用意しました。さらにお礼状に書くべき内容について組み合わせて使える表現を12パターン用意しました。

後半では、手書きとメールについてメリット・デメリットの比較を行い、そもそもお礼状を書く必要はあるのか?という疑問にもお答えしています。

手書きのお礼状のポイントと例文

まずは手書きのお礼状について例文とポイントを記載します。サンプル例は便箋と封筒ですが、はがきも同じ記載で問題ありません。

手書きの転職面接のお礼状例文

パソコンやスマホが普及している現代では、手書きの機会が少なくなっています。慣れていない人にも参考にしやすいように、必要最小限の内容を記載した例文をご紹介します。

転職面接の手書きのお礼状

手書きの転職面接の封筒

部署含め宛名は詳細に記載し、裏面の送り主も忘れずに記載しましょう。

転職面接の手書きのお礼状用の封筒

お礼状の便箋・封筒サイズ

便箋はB5、封筒は長形4号を使用しましょう。

お礼状の文面は短いため、B5サイズの便箋を使用します。一般的にビジネスで使用されている横90mm×縦205mmの長形4号封筒なら、B5サイズの便箋を四つ折りにすればちょうど入ります。

手書きのお礼状は縦書きが基本

ビジネスでは便箋やはがきを利用する場合、縦書きが基本です。横書きではカジュアルになってしまうため、失礼にあたるので注意してください。

万年筆が理想だがボールペンでも良い

ペンについては万年筆を使って書くのが理想ですが、持っていなければボールペンでも良いです。わざわざ慣れていない万年筆を購入することはありません。

筆ペンを使用する方もいますが、使用するペンや筆については神経質にならなくても良いです。ただしインクは黒を使用してください。

修正液や訂正はNG

間違えたからといって修正液や二重線を使った訂正などはNGです。間違えたら新しい便箋・封筒・はがきを使ってください。

加えて右から左への縦書きになるので、手のこすれ等による用紙のインク汚れにも注意してください。

便箋・封筒・はがきは無地を使う

使用する便箋・封筒・はがきについては、無地のものを使用してください。郵便はがきについては、郵便局やコンビニで購入する通常無地のものを利用しあます。

便箋と封筒についても無地のものを使用してください。封筒は茶色も良いですが、白地タイプを使用すると誠実、清潔な印象があたえられます。

便箋・封筒ともに注意することは、100均のものでは紙が薄いため印象が悪いです。しっかりした厚さのある便箋・封筒を使いましょう。

面接日の当日中には投函する

手書きは郵送になるので、どうしても到着が遅れます。
基本は面接日の当日に投函し、できるだけ当日発送に間に合うように速達の利用や応募企業の配達を行う最寄りの郵便局に出すなど工夫をしましょう。

応募数が少ない、面接が役員以上、企業規模が小さく採用決定関係者が少ない場合はお礼状が届く前に合否が決まる場合があるためメールでお礼状を送ることも検討しましょう。

宛名の書き方

お礼状や封筒に記載する宛名にも注意が必要です。

面接官の名前が分からない場合で企業宛、部署宛に送る場合は「御中」を使用します。個人名がわかる場合は「様」を使用してください。下記に例を記載します。

  • 人事部採用グループ 御中
  • 管理部 佐藤 太郎 様
  • 営業部 法人営業部 佐藤 太郎 様
  • 人事部 採用ご担当者 様

メールのお礼状のポイントと例文

次にメールのお礼状について例文とポイントを記載します。

メールの転職面接のお礼状例文

カジュアルで読み慣れた横書きのメール形式なので、内容も手書きよりも内容を少し詳しくし、拝啓・敬具などの表現を使用していません。

件名:●月●日 中途採用面接のお礼 【転職まなぶ】

株式会社●●
営業部 佐藤太郎 様

お世話になっております、本日●時より中途採用面接をしていただきました転職まなぶと申します。
本日はお忙しいなか面接の機会をいただき、誠にありがとうございました。

佐藤さまからお伺いした、業界における貴社の取り組みと10年後を見据えた営業戦略に強い共感を覚えました。
ぜひ前職で培った新規開拓営業の経験を活かし、貴社に貢献できればと思います。

取り急ぎ、面接のお礼を申し上げたくメールいたしました。
お忙しいと思いますので、ご返信は不要です。

末筆ながら、貴社のますますのご発展と社員皆様のご多幸をお祈りいたします。

————————————————————————–
氏名:転職 まなぶ
メールアドレス:xxx@gmail.com
電話番号:080-xxxx-xxxx
〒●●●-●●●●
東京都世田谷区●●1丁目11-1 セントラルコート205号室
————————————————————————–

件名に注意

面接官である採用担当や現場責任者には数多くのメールが届きます。大量のメールに埋もれないように件名には「日付」、「何についてのお礼か」、「名前」の3点セットをいれましょう。

返信不要の一文を入れる

面接官によっては、わざわざお礼メールに返信をしてくれる方もいます。ただ、業務の手間を増やしてしまうので、「ご返信は不要です」等のひと言を入れておきましょう。

個人メールでも署名を忘れずに

転職活動ではGメールやYahooメールなど個人用の無料メールを利用する方が多いと思いますが、名前やメールアドレス、連絡先などの署名は入れておきましょう。

転職活動はビジネスととらえ、企業用のメールにも記載する署名は必須です。

転職面接でのお礼メールの書き方については下記ページで詳しく解説しています。

必要なの?転職面接のお礼メールの書き方【例文付き】

お礼状に書くべき内容と12の表現

手書き、メール問わず転職面接後のお礼状に記載する基本的な内容は下記の4つです。

  • 挨拶文
  • お礼の文章
  • アピール文※主に志望動機の高さ
  • 結び・締めの文

それぞれ書き方のポイントを解説し、各内容ですぐに使用できる表現例を3つ、合計12の表現例を用意しました。

先に示した例文に組み込んでお礼状をつくっても良いですし、一部参考にして利用するなどしてお礼状の作成に役立ててください。

挨拶文の書き方と例文

お礼状の導入として、まずは挨拶文が必要です。

手書きの場合は昔からある挨拶文を使用するほうが手書きという形式に合っています。逆にメールでは昔ながらの挨拶文では、横書きとあいまってややちぐはぐな印象があります。

手書きとメールで別の表現を使用するのがベターです。それでは以下に表現例文を掲載します。

拝啓 ○○の候 貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。

主に手書きで使用する挨拶文です。
「◯◯の候」部分は時候の挨拶といって、季節によって使用する文字を変えます。例えば1月なら「初春の候」、「新春の候」、4月なら「陽春の候」、「桜花の候」といった具合です。

年配の方に送る場合に使用するのが良いでしょう。昔から手書きで使用されていたので、若い担当者向けにメールで使用するには若干の違和感をあたえるかもしれません。

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

先ほどの「◯◯の候」は月ごとに季節の言葉を入れる必要がありますが、わざわざ調べるのが面倒です。
その際に使えるのが「時下」です。現在やこの頃を意味する言葉で、汎用的に挨拶文として使えます。頭に拝啓をつけても良いでしょう。

お世話になっております、本日11時より面接を受けさせていただきました転職まなぶです。

メールでお礼状を送る際は手書きと同じで拝啓を使用しても良いですが、「お世話になっております」というビジネスメールの文法を使えば良いでしょう。

形式張った表現よりもシンプルで馴染みがあるため読みやすいです。

お礼の文章の書き方と例文

お礼の文章は形式的にはお礼状のメインとなる内容です。

しかし実際に転職者は、やる気や熱意のアピール、礼儀正しさ含めた好印象をあたえる事が目的なので、お礼の文章についてはシンプルに伝えるのが良いでしょう。

本日はお忙しいところ面接の機会をいただき、ありがとうございました。

手書き、メールともに利用できるシンプルなお礼文です。特に何かのお礼を伝えたい場合でなければ、この表現を使用して良いでしょう。

本日はお忙しいところ面接の機会をいただけたこと、加えて日程調整にご尽力いただけたこと、誠にありがとうございました。

何度か日程調整でメールをやり取りした場合は、担当者がスケジュール調整に労力をかけてくれたはずです。
その点について面接機会のお礼とともに感謝を伝えましょう。

本日はお忙しいところ面接の機会をいただき、ありがとうございました。わたくしの都合により、本来お休みのはずである土曜日に面接の機会をいただけたこと痛み入ります。

平日は仕事が忙しい場合に、土日に面接をセッティングしてくれる企業や面接官の方もいます。土日など休日に面接を設定してもらった場合は、必ずその感謝は伝えましょう。

アピール文の書き方と例文

お礼状の本来の目的はお礼を伝えることですが、転職者にとっては好印象をあたえ、熱意をアピールする機会でもあります。

ポイントとしては、実際の面接で聞いた内容や出来事を受けて、それが自分にとってより志望度を高めることになったという流れがベストです。

露骨な自己アピールは厳禁です。そもそも基本的なアピールは面接時にすませておくものなので、志望度の高さをアピールする程度にとどめておきましょう。

◯◯様からお伺いした、「顧客、自社、世の中の三方よし」という理念に強く共感を覚えました。
前職で培った行動力と粘り強さを持って是非貴社のお役に立ちたいと思います。

面接官から伺った内容に共感しつつ、自分の活かせる能力を伝えています。シンプルで汎用的ですが、面接時に聞いた内容を盛り込むことで、あなたらしさも伝わります。

面接にてお伺いした、「業界において変革がおきている今だからこそチャンスも多い」というお言葉が強く心に残っています。
過去の業務で得られた「新規顧客へのアプローチ戦略」を活かして、貴社で新たな市場開拓に取り組みたいと強く思います。

こちらは面接で伺った経営課題や業務課題について、より具体的に活かせる経験やスキルを伝え、具体的な市場開拓を行いたいと強いアピールをしています。

応募企業の具体的な職務と自身の活かせる経験を伝えるのは、熱意だけでなく働くイメージを企業に抱かせるために効果的です。

面接でもお伝えしたとおり社会人経験は無いですが、5年後の将来を見据えて貴社での営業職として全力を尽くします。
貴社のお役に立てるように努力を怠らず、自身を高めていきたいと思いますので宜しくお願いいたします。

これはフリーターから正社員になろうとしている方の例文です。素直に直球で志望度の高さをアピールしています。
注意点としては、面接でも同じ熱量を伝えていなければ、お礼状で熱意を伝えても嘘くさくなってしまうので、面接での志望度の高さとリンクさせましょう。

また後半の文章は第二新卒など経験が浅い場合や、未経験の職種・業種に応募する場合にも利用できる表現なので使ってみてください。

結び・締めの文の書き方と例文

結びの言葉は挨拶文と合わせてマナーや礼儀を表現するために入ります。そのため、無駄に長い表現はやめておきましょう。

取り急ぎお礼を申し上げたく筆をとりました。貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。敬具

手書きのお礼状に使う表現です。筆、敬具というキーワードを使用してシンプルに結びの言葉としています。

取り急ぎお礼のメールにて失礼いたします。
末筆ながら、貴社のご繁栄と◯◯様のご健康をお祈り申し上げます。

メールのお礼状に使う表現です。基本的には先ほどの事例と伝える内容は同じで、シンプルな記載にします。

取り急ぎ、面接のお礼を申し上げます。お忙しいと思いますので、ご返信は不要です。
何卒、よろしくお願いいたします。

こちらもメールのお礼状で活用できます。メールの場合は返信の可能性を考えて、返信不要のひと言を入れましょう。「お忙しいと思いますので、ご返信には及びません。」という表現でも良いです。

転職面接のお礼状は出すべき?

さて、ここまで例文や表現でお礼状の書き方を伝えてきましたが、そもそも転職における面接後のお礼状やお礼メールは必要なのでしょうか?

面接において合否にはほとんど影響しないため必要性は低い

これが長年、採用や転職に関わってきたわたしの答えです。

しかし有効な場合もありますので、その具体的なパターンと合わせて、逆にお礼状やお礼メールを出さないほうが良いパターンをお伝えします。

好印象やアピールができる場合

次の状況では限定的ではありますが、好印象やアピールをできる場合があります。

  • 礼儀を重んじる面接官や企業
  • 創業社長やベンチャー社長
  • 高額商材やトップアプローチを行う職種・業界
  • 第二新卒・既卒やフリーターなど
  • 応募者と横並びの場合

地方や昔ながらの企業によっては、礼儀を重んじる企業や面接官もいます。会社内でもFAXの使用含めて紙文化が残っているので手書きのお礼状は好印象をあたえます。

創業時社長やベンチャー社長が面接官の場合も、行動力や熱意を重視される方が多いので、評価される場合があります。

不動産・住宅・保険・証券・自動車など個人向けで高額商材を扱う営業職では個人的で温かみのある営業スタイルをとる場合が多く、実務でも手紙等を活用する方もいます。

そのような営業スタイルの責任者が面接官になった場合は実務イメージを判断できるので好印象をあたえられます。

広告・システム・産業機械・MR・医療機器などトップアプローチを主とする営業職にも同じことが言えます。

第二新卒・既卒やフリーター・ニートなど社会人経験が乏しい方などは、熱意と行動力が武器になるので、やはり好印象をあたえます。

出さないほうが良い場合

次の場合は、逆に出さないほうが良いです。

  • 送るのに時間がかかる
  • 手書きに自信が無い

何日もたってからお礼状やお礼メールが到着するのは、逆にマイナスイメージです。それは普段のあなたの仕事の遅さをイメージしてしまうからです。

手間と時間をかけても面接日当日に送れないなら、むしろお礼状やお礼メールは送らないほうが良いでしょう。

さらに手書きの場合は、字に自信がないのならやめておくべきです。字の印象はどうしてもあなた自身をイメージさせますし。
そもそも字を書くことに慣れていないのなら誤字脱字の危険性や、お礼状を書くことに時間がかかりすぎます。

それなら自己分析など別のことに時間をかけた方が、転職活動としては有意義です。

出したほうが良いパターン、出さないほうが良いパターンをお伝えしましたが、どちらにしても影響は限定的です。

基本は経験やスキル、面接の内容で採用の合否は決まります。苦手で時間がかかるなら、割り切って無理に送らないでも良いでしょう。

手書きとメールのメリット・デメリット

手書きとメールのどちらにすべきか悩む転職者もいるので、それぞれのメリット・デメリットを比較しておきます。

メリットデメリット
手書き・強い印象を与えられる
・几帳面さをアピールできる
・手間がかかる
・到着が送れる
メール・手間がかからない
・迅速に送れる
・印象に残らない
・無機質な印象を与える

パソコンで作成して郵送する方もいますが、それならメールで十分です。わざわざ郵送するメリットは手書きの良さがあるからなので、その点は注意してください。

まとめ
転職における面接後のお礼状について、手書きとメール合わせて例文をもとに解説してきました。最後に内容をまとめておきます。

  • 手書きのお礼状は使用する便箋・封筒・はがきに注意
  • お礼メールと手書きのお礼状では書き方にわずかに違いがある
  • お礼状では志望度の高さを伝えるのが重要
  • お礼状やお礼メールの効果は限定的
  • 手書きとメールのメリット/デメリットを知っておく